弁護士の雑記帳 – 東京中央法律事務所

東京中央法律事務所の公式ブログです

*

特殊詐欺と弁護士

 

この記事は約 3 分で読めます。

Wikipediaによれば、「オレオレ詐欺」の最初の検挙事犯は2003年のことだそうですから、もう20年も経つのですね。
最近では「特殊詐欺」と抽象的な名称で言われています。
「振り込め詐欺」
とか
「母さん助けて詐欺」
など呼び名はいろいろ考えられましたが、結局のところ
「いわゆる『オレオレ詐欺』」
というのが一番通用するようです。

アレみたいなものですね。「X(旧ツイッター)」っていうアレ。

「劇場型オレオレ詐欺」でよく登場するのは「弁護士」なのだそうです。
「オレ」を名乗る人物がやらかしてしまった不始末を解決するためにお金が必要という口実で、弁護士役の受け子が現れて現金をだまし取るというわけです。
制服もないし、弁護士バッチをしない弁護士も多いので、弁護士ならニセの名刺だけでなりすますことができるということなのでしょう(すぐにバレますよ)。

こういう詐欺が世の中に広まって以来、弁護士は仕事がしにくくなりました。
例えば、東京で一人暮らしをしていた息子さんが痴漢事件で逮捕されてしまった、というような刑事事件を受任した場合、示談金や保釈金のことで故郷の親御さんに連絡を取りたいということがあります。

突然かかってきた電話で、

息子さんが痴漢をしてしまいまして

と告げられた親御さんは、以前ならば動転して、

何とかならないでしょうか

などと答えた方が多かったかも知れません。
しかし、今どきは

こちらにはどういう事情かさっぱり分かりませんが、確認をした上でご連絡します

なんて、明らかに電話の相手を疑っているわけです。

もちろん、物騒ですから、電話してきた弁護士(を名乗る人物)や所属事務所が本当に実在するのかくらいはネットで確認した方がいいに決まっていますし、警戒する方が安全です。
とはいえ、疑われている側としては、ちょっとモヤモヤした気分になりますね。
信用してもらうまでに手間がかかるのは仕方がないとはいえ、詐欺集団のとばっちりですから、その限りでははた迷惑というものです。

と、こんなことを突然書いたのは、まさにそういう場面に出くわしたばかりだったからです。

事前に約束していたある方のお宅を訪問したところ、そのお宅の前に不自然に佇む目つきの鋭い男性がいました。
「もしや」と思いましたが、案の定私服の警察官とのこと。
警察官も「念のため」とは言っていましたが、こっちの動向いかんでは任意同行を求めるくらいのつもりでいたのでしょう。何だかんだで4~5人の警察官が近くに待機していました。
ほどなく本物の弁護士であることは確認され、来訪の目的や事情も資料を示して説明したところ、特殊詐欺ではないということで引き上げて行かれました。

ごくろうさまです。
こちらも信用していただけて何よりです。

ともあれ、みなさんも特殊詐欺にはくれぐれもご注意くださいね。

弁護士のみなさんも、こんなこともあるということを予想して、きちんと対応できるように準備されることをおすすめします。

警察官に何を聞かれたとか、どんな資料を示したかなどをここに書くと、よからぬ連中の参考にされてしまうかも知れないので、詳しく書けないのがもどかしいところです。

 - 社会, 日記

  関連記事

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます 本日より仕事始めとなりました。 本年もよろしくお …

80年

先日、渋谷区立松濤美術館を訪れました。 彫刻家、安藤照の没後80年を記念した回顧 …

英国が欧州連合離脱へ

正直、ほとんどの人はこの国民投票の結果を予想していなかったのではないかと思います …

明日から下半期

早いものでもう今年も半分終わりです。 明日からは下半期ですが、もうすぐ新しいもの …

暴走列車の行く先

5月末までとされていた緊急事態宣言は、結局6月20日まで約3週間延長されることに …

長すぎる約束

原子力発電所の廃炉をすすめる過程で生み出される放射性廃棄物の処分について、昨日、 …

カレンダーを直しましょう

早いものでもう今年も半分終わろうとしています。カレンダーや手帳も後半に入ろうとい …

後悔先に立たず

「イギリス、EUやめるってよ」 というタイトルのブログが乱立するだろうなあと思っ …

豊洲にしてもオリンピックにしても

連日報道されている豊洲新市場問題ですが、昨日の報道では、地下水から環境基準を超え …

よいお年をお迎えください

今年も1年お疲れ様でした。 新型コロナウイルスの収束は来年へ持ち越されることにな …