弁護士の雑記帳 – 東京中央法律事務所

東京中央法律事務所の公式ブログです

*

オリンピックの「レガシー」

 

この記事は約 2 分で読めます。

今はなき旧国立競技場

今はなき旧国立競技場

東京オリンピックのための施設建設について、いろいろな意見が交わされています。あまりの総工費の高さに、新国立競技場の当初の設計が白紙撤回されたのは昨年7月のことでしたが、今では、ボート・カヌー会場、バレーボール会場、水泳会場などの見直しも進められています。

そうした中で、よく聞くようになった言葉に、「レガシー(legacy)」という言葉があります。
レガシーと聞けば、もともとは富士重工業の乗用車を連想する人の方が多かったのではないかと思うのですが、今ではそれが「遺産」という意味の言葉だということが広く知られるようになりました。

オリンピック閉幕後のレガシーとなる施設。

うーん、「遺産」って日本語で言ってはいけないんでしょうかね。
「負の遺産」とか言われると困るから? たしかに「負のレガシー」というのは聞いたことがありませんが。

ところで、遺産と聞いてもう1つ思い出すのは「世界遺産」です。
「世界遺産」は、英語にすると「world heritage」で、「遺産」には「ヘリテージ」という単語が当てられています。

レガシーとヘリテージ。
どちらも日本語に翻訳すれば遺産ですが、レガシーの方が狭い意味での遺産、つまり、親から子に相続される相続財産で、ヘリテージの方は、もう少し広い意味での遺産、その国や社会に受け継がれてきた伝統や文化なども含んだイメージのようです。

ならば、オリンピックの遺産も「ヘリテージ」の方が相応しいように思えてきます。だって、オリンピックの遺産って、何も形あるものだけではないはずです。

ところが、オリンピック憲章の中には「legacy」の言葉はあっても、「heritage」は見当たりませんでした。
何となくガッカリさせられた気がするのは私だけでしょうか。

遺産問題は、私たち弁護士もよく取り扱う問題ですが、そのうち「レガシー問題」なんて言われるようになるのかも知れません。何かピンと来ませんが、レガシーとしての遺産をめぐる争いは、いろいろな思惑が交錯して根が深い問題だということだけは間違いなさそうです。

(追記)
「レガシー」が流行語大賞の候補にノミネートされました。(2016/11/17)

 - 話題 ,

  関連記事

岩手文学に脚光

一昨日、芥川賞と直木賞の発表がありましたが、その続報で、岩手文学が脚光を浴びてい …

瀬戸内寂聴さんの発言に思う

先週末、福井で日弁連人権擁護大会が開催され、これに先立って死刑制度に関するシンポ …

青海(あおみ)と青梅(おうめ)

週末の出来事だったようですが、お台場「ヴィーナスフォート」で行われるアイドルフェ …

ほぼほぼ考

最近よく耳にする言い方で「ほぼほぼ」というのがあります。 「ほぼ」じゃいけないの …

4月4日は何の日?

  皆さんは4月4日が何の日かご存じでしょうか。 私も最近知ったのですが、なんと …

約束と異なる新しい判断

早いもので、もう6月も最終日になってしまいました。 安倍首相が消費税増税の時期を …

ミュージアム

ちょっと前に話題になった「ミュージアムの女」、ご存知ですか。 岐阜県美術館のFa …

森羅万象

森羅万象という言葉が突然話題になっているというので、早速調べてみたところ、国会で …

英国が欧州連合離脱へ

正直、ほとんどの人はこの国民投票の結果を予想していなかったのではないかと思います …

広辞苑とLGBT

10年ぶりに改訂された広辞苑第7版、発売されましたね。 たまたま広辞苑の編集者が …