豊洲にしてもオリンピックにしても
この記事は約 2 分で読めます。
連日報道されている豊洲新市場問題ですが、昨日の報道では、地下水から環境基準を超えるベンゼンとヒ素が検出されたということです。
そもそも土壌汚染対策として、汚染土を取り除いて盛り土をすることになっていたのが、あちこちで盛り土をしていなかったことが判明したり、汚染度のモニタリング調査の結果を待たずに市場の移転を予定したり、やることがいろいろと怪しげなのですが、公共事業を巡って怪しげなことが行われていることに「慣れっこ」になっている都民・国民にとって、「またか」と思う一方で、「やっぱり」という思いも禁じ得ないところです。
「臭いものには蓋」
という言葉がありますが、まさか、土壌汚染も既成事実で蓋をしてしまえばばれないだろうと考えたのではないかと、勘繰りたくもなります。
4年後に控えた東京オリンピック・パラリンピックについても、当初の見積もりを遙かに超える予算をつぎ込まなければ実現できないと聞いて、見積もりが甘すぎたのではないかという非常に真っ当な批判もありますが、実のところ、それもすべて織り込み済みだったのでは?という疑いもあります。
「小さく産んで大きく育てる」
という言葉がありますが、その業界では、
「安い額で落札して、その後に金額を上積みしていけばいい」
という意味合いで使われているという話を聞いて、なるほどと思った経験があります。
人件費や資材の高騰、予想外の地盤改良のための別途工事、設計変更による追加工事、天候不順による工事中断による人夫確保の費用、工期圧縮による突貫工事のための追加費用、周辺対策費の追加、周辺住民の反対運動対策費、その他諸々、金額は驚くほど増えていくわけです。
支払う側も、大型公共事業の場合などは、よく言われるように税金という「他人の金」から支出する甘い意識のせいなのか、長期にわたって納税者にメリットがあるのだからいいじゃないか、という言い訳ができるからなのか、財布の紐がかなりゆるんでいると言わざるを得ません。
関連記事
-
-
ある検察官の起死回生
東京高等検察庁のトップである検事長が、2月8日の63歳の誕生日で定年退職を迎える …
-
-
身の丈と体重
一昨年亡くなられた早坂暁氏の代表作として真っ先に挙げられるのは「夢千代日記」だと …
-
-
沈黙と雌伏
アメリカの大統領選挙がなかなか決着しませんが、現職大統領が開票作業の差止めを求め …
-
-
試合終了
ラグビーで試合終了のことを「ノーサイド」と言いますね。試合が終われば、サイド、つ …
-
-
迫る改元
裁判所では受理した事件(案件)ごとに「事件番号」といわれる固有の番号を振って事件 …
-
-
人心の一新
明後日には内閣の改造が行われるそうです。 この数か月で一気に落ち込んだ内閣支持率 …
-
-
噴出するセクハラ問題
財務事務次官によるセクハラ問題は、本人の辞任で事態が収束するどころか、今まで表に …
-
-
目的も違うし必要性もない
はやりのゲーム機を欲しがる子供が、「みんな(そのゲーム機を)持ってるから、持っ …
-
-
大阪の住民投票を前に
このコロナ禍の中、明後日の11月1日に大阪で住民投票が行われます。大阪市を廃止し …
-
-
東電刑事裁判に思う
昨日、福島第一原子力発電所の事故をめぐり、東京電力の旧経営陣が業務上過失致死傷の …
- PREV
- 長すぎる約束
- NEXT
- どうして台風の「中心」にこだわるの?