死票のゆくえ
この記事は約 2 分で読めます。
先月末に行われた衆議院議員総選挙では、議席を伸ばすかと思われた野党第1党の立憲民主党が1割以上議席を減らす結果となりました。この結果を受けて、立憲民主党の枝野代表は代表を辞任し、すでに代表選挙が事実上スタートしています。
立憲民主党が党勢を拡大できなかったどころか、議席を減らした原因については様々な分析が行われていますが、少し気になるのは、野党共闘路線、特に共産党との連携が失敗だったのではないかという見方です。
もちろん、野党共闘・野党連携のために、自分が投票したい政党の候補者がいなかったので棄権したとか、あの政党と連携している政党には投票したくなくなったとか、そういう人もいるでしょう。
しかし、その反対もあったはずです。巨大与党の失政をただすべく、政党の垣根を越えて共通する政策を掲げて共闘・連携することを支持した人も少なくなかったのではないでしょうか。そうでなければ、与党の大物政治家が小選挙区で苦戦し、中には落選の憂き目をみることになることもなかったでしょう。
最も怖いのは、議席が減った→今までのやり方を否定する、という短絡です。
スポーツのトーナメント試合なら、たとえ10点取っても11点取られれば負けは負け。10点取ったことは思い出にしかならないかも知れません。
しかし、シーズンを通じて得失点差が計算されるならどうでしょう。負け試合の得点も次につながる財産です。
選挙にも似たようなところがあるのではないでしょうか。議席の得失は試合の結果かも知れませんが、死票となった得票までリセットされるわけではありません。逃がした魚を求めるあまり、票を投じてくれた有権者の行動を否定するかのような言辞が幅を利かせるようでは、結局また4年前のような騒動に行き着くのではないかと心配せざるを得ません。
関連記事
-
-
取り戻すまでもない
働かざる者食うべからず この言葉は、しばしばレーニンの言葉として伝えられていま …
-
-
無期転換ルール取組促進キャンペーン
厚生労働省が、今日9月1日から「無期転換ルール取組促進キャンペーン …
-
-
ドライブレコーダー2題
このところ、ドライブレコーダーの販売台数が急増しているというニュースを、それこそ …
-
-
わきまえない
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長の、日 …
-
-
初めての贈り物
名前は子供への最初の贈り物。 そんな言葉を耳にしたことがあります。 でもその一方 …
-
-
反社の定義
昨日のニュースですが、政府が「反社会的勢力」の定義について「その時々の社会情勢に …
-
-
交通事故を他人事にしない
一昨日、大津市での交通事故のニュースが飛び込んできました。わずか2歳のお子様を亡 …
-
-
試合終了
ラグビーで試合終了のことを「ノーサイド」と言いますね。試合が終われば、サイド、つ …
-
-
パンドラ
パンドラの箱の話をご存知ですか。 ギリシャ神話にある話で、全知全能の神ゼウスがパ …
-
-
まだ大丈夫?
西日本を中心とした豪雨被害に遭われた皆様、今も避難生活を余儀なくされている皆様に …
- PREV
- Trick or Treat
- NEXT
- 国が請求を認諾するとは