緊急事態の濫用
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連日新型コロナウィルス対策の問題が報道されていますが、おどろくような話が出て来ました。
何と、憲法に緊急事態条項があればすぐに対策ができるのに、というのです。
いわく、検査の義務づけや感染者の強制入院などの措置を取るには、個人の人権が妨げになって対策が取れない。これらを行うために、政府が今回の新型肺炎を「指定感染症」にする政令を閣議決定しても、周知期間を置くために施行日を遅らせなければならない。憲法に緊急事態条項があれば、すぐにでもこれらの措置が実施できるのに、というわけです。
実際には、当初政令の施行日とされた2月7日を大きく前倒しして、明日2月1日施行ということになったようなので、緊急事態条項がないと対策が取れないということは否定されたと言ってよいでしょう。
専用の勉強部屋がないと学校の宿題ができないと嘆いていた子供が、食卓で宿題を済ませたような話で、無い物ねだりとは正にこのことです。
以前、熊本地震の際にも、緊急事態条項があればという声が起こりましたが、憲法を変えるためには、どんなことでも口実にしようという態度には全く感心できません
そこまでして、個人の権利を制限する魔法の杖が欲しいのでしょうか。
すぐにできたはずの対策さえ後手後手になったのに、「緊急事態条項があれば」と言い出すなんていうのは、言い訳としては最悪の部類ですね。
こういうことを簡単に言い出す人に限って、緊急事態条項を手に入れたら、次は「緊急事態」を連発するだろうということは容易に予想できます。
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