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ほぼほぼ考

 

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最近よく耳にする言い方で「ほぼほぼ」というのがあります。
「ほぼ」じゃいけないの? とも思いますが、「ほぼ」よりも100%に近い様子を表すのに、「ほぼ」を繰り返すことで意味を強めているのだろうなあと理解することができます。

もともと日本語には繰り返し表現がたくさんあって、例えば、人々、山々、神々、諸々、等々いくらでもあります。ただ、よく見ると、これらはどれも複数を表すために言葉を重ねているもので、言ってみれば足し算(もしくは、その繰り返しとしての掛け算)なんですね。人がたくさん集まっている様子を、「人人人・・・」とするのではなく、「人々」で表してしまうわけです。

これに対して「ほぼほぼ」は、ちょっと面白い。
「ほぼ」は割合を表現しているので、これを重ねると、足し算というより、累乗っぽくなります。
仮に「ほぼ」が90%だとした場合を考えてみましょう。
90%を2乗するとおかしなことになってしまいますが、残り10%の方を2乗すると1%になります。
そうすると「ほぼほぼ」は99%という計算になる。
あるいは、「ほぼ」の残り10%の、さらに90%を上乗せすると考えても同じ結論です。

はじめに「ほぼほぼ」という言葉を使い出した人がそこまで考えていたかは分かりませんが、やや質の異なる重ね言葉なのかも知れません。

ところで、最近「ギリギリ」という言葉を、「ギリ」と短く言うのを聞くことがあります。
基準値に限りなく近い、という意味では「ほぼほぼ」にも似ていると思うのですが、なんでこっちは短くなってしまったのでしょうかね。考え出すとキリがありません。

そのうち、「スレスレ」も「スレ」なんて言ったりして。

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