弁護士の雑記帳 – 東京中央法律事務所

東京中央法律事務所の公式ブログです

*

ドライブレコーダー2題

 

この記事は約 2 分で読めます。

5f8bb0ce34344dac8c11f419199c0259_s

このところ、ドライブレコーダーの販売台数が急増しているというニュースを、それこそ急にたくさん見かけますね。いよいよ夏休みシーズンを迎えて、車でのお出かけの機会も増えるでしょうから、メーカー側からすれば、売り込みのチャンスでもあるのでしょう。

ドライブレコーダーが備え付けてあれば、万が一の交通事故の際に、どちらが先に交差点に入っていたかとか、信号が青だったか赤だったかとか、とかく水掛け論的になりがちな過失の争いを防ぐことができます。争いごとの際に、証拠を持っているのといないのとでは、勝ち目が全く違います。交通事故案件を取り扱う弁護士としても、こういう証拠があるのは助かります。その意味では、万が一の備えのひとつとして、自動車保険だけでなくドライブレコーダーの備え付けも大切と言えるのかも知れません。

ところで、昨日のニュースで、東京地検立川支部が、傷害事件で起訴されていた2人の被告人について公訴を取り消し、東京地裁立川支部が公訴棄却の判決をしたことが報じられました。
警視庁八王子警察署が、目撃証言を元に2人を逮捕し、東京地検立川支部が容疑を否認している2人を起訴したというのですが、犯人がタクシーに乗って逃げたという、そのタクシーのドライブレコーダーの映像を確認したところ、全くの別人が映っていたというのです。むむっ。

容疑を否認していたというのは要注意で、「被害者が勝手に転んで怪我をした」とか、「殴りかかっていたのはあっちが先で、こっちは正当防衛だ」というのも「否認」と報じられますが、今回の事件では、要するに「人違いだ」と言っていたのでしょう。だったら、現場の目撃証言だけでなく、逃走ルートも含めて証拠集めを徹底すべきでした。これは、警察だけの仕事ではなく、起訴すべきかどうかを判断する検察官にとっても、いや、検察官にこそ必要な視点でした。

現場の目撃証言というのはくせ者で、こういう時は混乱しているので誤認が生じやすい上に、犯人は外国語を話していたといいますから、「外国人」という括りで先入観を持ちやすく、違いを見分けにくいので、安易に目撃証言に乗ってはいけない典型的な事案と言えます。
弁護人から指摘されるまで検察庁ではドライブレコーダーの映像を確認していなかったというのですから、やはり捜査がお粗末だったと言わざるを得ないでしょう。

ドライブレコーダーもそうですが、街頭のあちこちに監視カメラが設置される時代、防犯や治安の効果を期待するならば、誤認逮捕のリスクを減らす方にも役立ててもらわなければいけません。

 - 社会 ,

  関連記事

4月4日は何の日?

  皆さんは4月4日が何の日かご存じでしょうか。 私も最近知ったのですが、なんと …

英国が欧州連合離脱へ

正直、ほとんどの人はこの国民投票の結果を予想していなかったのではないかと思います …

人心の一新

明後日には内閣の改造が行われるそうです。 この数か月で一気に落ち込んだ内閣支持率 …

2つのマクドナルド理論

アメリカのジャーナリスト、トーマス・フリードマンが提唱した外交理論に、「マクドナ …

初めての贈り物

名前は子供への最初の贈り物。 そんな言葉を耳にしたことがあります。 でもその一方 …

長すぎる約束

原子力発電所の廃炉をすすめる過程で生み出される放射性廃棄物の処分について、昨日、 …

刑事手続原則と一般国民感情

 ここ最近ネットやワイドショーを賑わせている話題の一つに、東名高速路上でワゴン車 …

闇に葬らせないために

我が国では、誰でも裁判所に訴えを起こして裁判所の判断を仰ぐことができることになっ …

地下倉庫に眠る

昨日のニュースですが、「働き方改革」法案に関連して、裁量労働制を巡る不適切なデー …

天の声にひざまずく

新元号ネタの連続3稿目です。 新元号に使われることになった「令」の字ですが、出典 …