オオカミ少年の寓意
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昨日4月25日から、東京に緊急事態宣言が発出されました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けての緊急事態宣言は、これで3回目となります。
2回目の緊急事態宣言が解除されたのが3月21日でしたから、わずか1か月で緊急事態に陥ってしまったわけです。
東京中央法律事務所でも、今回の緊急事態宣言を受けて、業務時間の短縮を実施することになりました。ご不便をおかけしますが、ご理解くださいますようお願いいたします。
感染対策には万全を期すよう心掛けていますが、対面での打合せが不安な場合、リモートでの打合せなどにも対応していますので、ご遠慮なくご希望をお知らせください。
ところで、今東京が直面しているのは第4波ですが、これまで第1波、第2波、第3波と順を追うごとにピークの高さは増す一方で、波の底も高くなっている、波が去っても新規感染者数が下がりきらないということも明らかになっています。
前回の波の底は3月初旬で、その当時の1週間平均新規感染者数は250人台でしたが、緊急事態宣言が解除された3月21日では301人、現在は730人です。4月に入ってからは、常に前の週の同じ曜日の新規感染者数を上回っています。
頼みの綱はワクチン接種の推進ですが、17日間の緊急事態宣言中に予定されている接種はたかが知れています。
今回の緊急事態宣言は、営業時間短縮要請だけでなく、広く休業要請を行って人の流れを少なくしようとするものですが、思惑どおりに行ったとしても、宣言期間終盤にようやくその成果が現れはじめることになりそうですから、政府や東京都も本当にこの2週間でどうにかなると思っているとは考えられません。
イソップ童話にオオカミ少年の話があります。
「オオカミが来た」と嘘をついて村人を驚かせて楽しんでいた少年は、ある日本当にオオカミが来た時に助けを求めても、誰も相手にしてくれず、戸を閉ざされて逃げ場を失い、可哀想に、少年はオオカミに食べられてしまいました、というのがわが国でよく知られたストーリーですが、どうやら本家の結末は違うのだそうです。
嘘ばかり言ってすっかり信用を失った少年の必死の訴えには誰も耳を貸さなかったため、村中の羊がオオカミに食べられてしまった、という結末の方が一般的なようなのです。
わが国では、嘘をついてはいけないよ、という教えとともに語られるオオカミ少年の話は、本来、真の情報を見極めろ、という社会全体に対する寓意なのかも知れません。
繰り返される緊急事態宣言をバカにして相手にしないでのはなく、この時期に本当に必要な対策は何なのかを見極める姿勢が大切なのでしょう。
「眉につばをつける」というのも、本来そうした意味のことわざです。
タヌキやキツネにだまされないためのおまじないですね。
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