弁護士の雑記帳 – 東京中央法律事務所

東京中央法律事務所の公式ブログです

*

人の振り見て

 

この記事は約 2 分で読めます。

先日インターネットで調べ物をしていたときに、「一つ返事」という言葉に出会いました。
「ためらうことなく、すぐ承諾すること。」
という意味であれば、「二つ返事」(広辞苑第5版)が本来の言い方だと思うのですが、どこかで返事が一つ減ってしまったようです。

別のサイト記事の分析によれば、「ハイハイ」という返事の仕方は失礼に当たるので、「二つ返事」は好ましくないととらえられてしまったのではないかということでした。
なるほど、「返事は1回でいい!」なんていうお小言を耳にしたことがあるのは、私だけではないでしょう。

面白いのは、この「一つ返事」という誤用は、若者よりも年配層の方が多いのだそうです。言葉の乱れは若者の方が多そうですが、これについては逆なんですね。
「返事は1回でいい!」と叱る立場に回ることが多いがゆえに、「『二つ返事』は間違いかな?」と勘違いしてしまうのかも知れません。

言葉は生き物なので、はじめは誤用でも、そのうちそれが正しい使い方になることもあるでしょう。
変化した言葉としてよく引き合いに出されるのが「新しい」という言葉です。「新」という漢字の読みにならえば、「あらたしい」と読むべきところが、今では「あたらしい」が定着し、それが正しい読みになっています。

直截」という言葉は「ちょくせつ」と読みますが、少なからぬ人が「ちょくさい」と読みます。裁判所の「裁」の字に似ているせいもあるのでしょうが、わが業界に多く見受けられる誤読です。

すべからく」という言葉もよく誤用されますね。「すべからく」に「すべて」という意味は全く含まれていませんが、
「今般成立した◯◯法はすべからく国民が反対している」
というように、「すべて」の高格調タイプのように誤用している人をよく見かけます。

字の形が似ていればいいというなら、「木村拓哉」を「きむらたくさい」と読んでもおかしくないはずです。
「すべ」だけ合っていればいいのなら、「すべり台」を「すべからく」に置き換えてもいいはずです。
でもそんなことはありませんね。

いつの日にかそれが正しいという時代が来るとしても、やはり今のうちは、人の間違いを追認するのではなく(どこかの閣議決定もしかり)、訂正したいものだと考えています。

 - 日記 , ,

  関連記事

ネット選挙運動できるんです

第24回参議院議員通常選挙が公示されました。 今回の選挙から有権者の年齢が18歳 …

「年末」の行事

10月31日はハロウィーン。少し前までハロウィーンなんて行事は聞いたこともなかっ …

夏の終わりに

前任の総理大臣が退陣表明をしてから、早いものでもう1年が経過しました。 あれから …

公衆電話の命運

霞が関の弁護士会を訪れたところ、こんな光景を目にしました。 利用者が少ないと公衆 …

桜の季節とともに

東京は桜の季節です。 事務所からほど近い新宿御苑は、毎年首相が主催する「桜を見る …

倍返し

私たちの事務所名によく似た銀行を舞台にしたドラマが最終回を迎えたようですが、残念 …

汚名をそそぐ

今日は年度末です。 今月の大きなニュースといえば、ワールド・ベースボール・クラシ …

道半ば

  日本では大型連休中だった5月5日、世界保健機関(WHO)が新型コロ …

よいお年をお迎えください

今年も1年お疲れさまでした。 今年こそ新型コロナの収束を願っていましたが、第6波 …

英国が欧州連合離脱へ

正直、ほとんどの人はこの国民投票の結果を予想していなかったのではないかと思います …