道半ば
この記事は約 2 分で読めます。
日本では大型連休中だった5月5日、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症をめぐる緊急事態宣言の終了を発表しました。
ワクチンの普及などにより重症化率が下がり、死者数も減少していることから、「緊急事態」ではなくなったということですが、新型コロナウイルスが根絶したわけではありませんし、感染力の強い変異株の出現も報告されています。
感染対策が不要になったわけではないようです。
防戦一方だった新型コロナウイルスとのたたかいが、ようやく落ち着きを取り戻したというところでしょうか。
しかし、「油断大敵」とは今こそ肝に銘じるべき言葉でしょう。
東京中央法律事務所でも、当面はこれまでの感染対策を維持する予定です。
わが国でも今日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の区分が2類から5類に変更されました。
5類に変更になったことの意味は、様々な媒体で説明されていますが(例えば、厚生労働省|新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について)、総じて言えば「自己責任」への転換ということです。
「政府や自治体があれこれ言わなくても、自己防衛してくださいね」
「そのための情報は提供しますよ」
ということです。
政府や自治体からの要請がとても「効きやすい」国民性にかんがみると、今後も対策が必要ということを前面に押し出すと、過剰な自粛を招きかねないという心配をしているのではないかと思いますが、5類移行に伴って「コロナ終息」のような雰囲気が広がりつつあるのには、少々警戒しなければいけないように思います。
折しも、WHOのテドロス事務局長が、緊急事態宣言終了を発表する中で、次のように付け加えたことを見逃してはいけません。
The worst thing any country could do now is to use this news as a reason to let down its guard, to dismantle the systems it has built, or to send the message to its people that COVID19 is nothing to worry about
(今、どの国も一番やってはいけないことは、このニュースを理由に警戒を解き、これまで築いてきたシステムを解体し、国民に「COVID19は心配ない」とメッセージを送ることです。)
百里を行く者は九十を半ばとす
第9波も目前と言われる中、警句としたいものです。
関連記事
-
すずしき谷間に
ドイツの詩人ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩に、フリードリヒ・グリュックが …
-
秋のたより
今朝玄関先で今年初めてあの花の香りに気が付きました。 金木犀(キンモクセイ)です …
-
事務所移転1周年
事務所が四谷から、ここ新宿御苑前に移転して1年が経ちました。写真は、1年前、荷物 …
-
梅雨のよもやま
歌舞伎役者の逮捕とか、人気俳優の大麻所持とか、女優とシェフのW不倫とか、そんな話 …
-
バベルの塔
現在、上野の東京都美術館で「ブリューゲル『バベルの塔』展」が開催されています。 …
-
NHK「戦後史証言プロジェクト」
やや古いソースなので恐縮ですが、NHK「戦後史証言プロジェクト」で、当事務所の新 …
-
日傘事始
一昨年の夏は過去最も猛暑日が多い夏(16日)でしたが、昨年はそれを上回り、猛暑日 …
-
群馬地裁?
「かかあ天下と空っ風」で有名な上州・群馬の県庁所在地は前橋市です。 前橋に天高く …
-
よいお年をお迎えください
今年も1年お疲れさまでした。 振り返ってみると、今年は歌舞伎界、宝塚、旧ジャニー …
-
新宿に高潮
昨夜から今日午前中にかけて東京は豪雨に見舞われました。 みなさんのお近くではいか …
- PREV
- 最高裁を舞台にした違憲行為
- NEXT
- 梅雨のよもやま