首相が語る活性化の鍵
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安倍首相は、昨日、内外情勢調査会で講演をされたそうなのですが、その中で、
「地方活性化の鍵はSNSにあります。」
「SNS映えするということはインスタ映えするとも言われているんです」
「お寺でミュージカル、竪穴式住居でお茶会、遺跡のパワースポットでヨガ。アイデア次第で地域の文化や歴史が世界から観光客を集めるキラーコンテンツに生まれ変わります。」
というようなことを話されたそうなのです。
つい最近Instagramをはじめた安倍首相としては、今年の流行語にもなった「インスタ映え」をどうしても言ってみたかったのだろうなあと心中を忖度してしまいますが、これで地方活性化が図れるとはにわかに信じがたいところです。
「狙いすぎた」景色はちっともインスタ映えしないものですし、そういうのが各地にあふれたら、もう「インスタ映え」の価値は暴落してしまうでしょう。当たり前じゃない発見にこそ「インスタ映え」のポイントがあるのですから。
そもそも、Instagramといっても、良くも悪くも一過性の流行ですから、短期的なビジネスチャンスと捉えるならともかく、「地方活性化の鍵」なんて、ちょっとなめてませんか、と言いたくもなります。
ところで、「お寺でミュージカル」と聞いた時に連想したのは、先月の熊本市議会で赤ちゃん連れの議員に対して退出を求める理由として「議場は神聖な場所だから」という声があったということです。
市議会は市民の代表が集う場所なので、世俗社会の縮図と言ってもおかしくありません。それに比べて寺社仏閣の方がよほど「神聖な場所」という言葉が相応しいと思うのですが、そこでミュージカル、それも「地方活性化」という世俗的な目的で行うというのは、どうしてもちぐはぐな印象を拭えません。
思い返せば今年の4月に、当時の山本地方創世大臣が、観光振興のために文化財を活用できないのは学芸員のせいだと発言し(実際にはもっと問題のある表現でしたが)、物議を醸したことがありました。結局この発言は撤回に追い込まれたわけですが、文化財だろうが宗教施設だろうが、地方活性化(=経済貢献)のために差し出すべき、という発想は、昨日の安倍首相のそれと共通するものなのでしょう。
他方で、「選良」の集まる議場は神聖不可侵、昔の言い方で言えば「女子供」のスタイルや考えを持ち込むな、という時代錯誤的センスとも親和性があるように思えます。
自分達だけが居心地のいい聖域を守りつつ、それ以外の者・物は国家繁栄のために供出せよという考え。ありそうです。
さて、一部の報道では、今日、安倍昭恵首相夫人が首相公邸に親しい知人を招いて忘年会を開催する予定だそうです。
首相に近いみなさんは、公有財産を活用して大いに活性化しているようですね。
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