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東京地方

 

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 台風22号が通り過ぎたと思ったら、その余波で、昨日は東京地方に木枯らし1号が吹きました。もう冬はすぐそこまで迫っているのですね。

 さて、この「東京地方」という言葉ですが、よく天気予報では耳にするものの、改めて考えると、ちょっと不思議です。東京都なら「東京都」と言えばいいし、「地方」まで付けるなら、隣接する神奈川や埼玉、千葉だって含めてもおかしくないし、それならもう南関東とか関東地方じゃいけないの? と疑問が湧いてきます。

 調べてみると、これは気象庁が天気予報を発表する際の「一次細分区域」という単位で、東京都の場合、伊豆諸島や小笠原諸島などの島しょ部を除いた地域、つまり23の特別区と多摩地域を指して「東京地方」と言っているのだそうです。
 ちなみに、さらに細かい「二次細分区域」というのもあって、これは要するに市区町村単位が原則になるのですが、この中間に「市町村等をまとめた地域」という括りもあって、東京地方の場合、東から「23区東部」「23区西部」「多摩北部」「多摩南部」「多摩西部」の5つに分けられています。

 たしかに、同じ東京都でも亜熱帯に属する小笠原諸島と気象庁のある都心部とを天気のことで一緒に扱うことはできないのは分かりますが、「東京都」よりも「東京地方」の方が小さい概念だというのは、やっぱり何となく腑に落ちないところがありますね。

 ところで、私たちの仕事で最もよく聞く「東京地方」と言えば、「『東京地方』裁判所」ですが、この場合の「地方」は、英語の「District」、つまり区域とか管轄区に相当するもので、全国の各都道府県に1つ(ただし、北海道は地理的な問題から、札幌、函館、旭川、釧路の4つ)の地方裁判所があります。

 ところがこの「地方」が、ちょっとした物議を醸したことがあると聞きました。
 東京地方裁判所(東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎)は、東京都千代田区霞が関1-1-4という中央官庁街の一等地にあるのですが、他の中央官庁が異議を唱えたというのです。
 「『地方』裁判所なんていう出先機関が、霞が関の一等地にあるなんておかしい」と。

 現在の東京地方裁判所の所在地は、もともと戦前から大審院、最高裁判所があった場所なので、高裁や地裁では格が下がると考えたのでしょうか。この話、本当かどうかは分からない、都市伝説の類かも知れませんが、ありそうな話ではあります。

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