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横書き読点問題に決着

 

この記事は約 2 分で読めます。

横書きにおける読点をカンマ(,)にするか、テン(、)にするか、という、大変小さな問題について、これまで2回触れてきました。
1回目は「読点とカンマ問題」、2回目は「「カンマ」から「テン」へ」という記事でした。

小さな問題ではありますが、一部の関心は高いようで、実はこれらのページへのアクセス数は比較的多いのです。

筆者としては、いかに「公用文作成の要領」に横書きはカンマ・マル、と定められていようとも、日本語の表記にカンマを使うのは違和感しかありませんでした。

しかし、今年1月に文化審議会が取りまとめた「公用文作成の考え方」において、読点は原則としてテン(、)を用いることとされ、ようやくあの違和感から解放されたのです。

とはいえ、「公用文作成の考え方」には、「横書きの場合はコンマ(,)を用いてもよい」とも記載されています。
比較的守旧派の多い我が業界では、こういう規定をめざとく見つけてくるので、カンマ・マル派が簡単に宗旨替えをすることはないだろうと予想していました。

ところが、ここに来て大きな動きがありました。

最高裁判所が動いたのです。

今年4月以降の判決では、どうやら読点にテンを使うようになった模様です。

これに対して3月までの判決はカンマ・マルでした。

ただ、裁判所のウェブサイトを見ると、今日現在ではまだテン・マルとカンマ・マルが混在しているので、移行期、混乱期なのかも知れません。

とはいえ、業界のラスボスが宗旨替えをしたのですから、弁護士も軒並みテン・マルに変わるものと思います。そもそも最高裁に属する司法研修所がテン・マルに変わっているはずですので、今後輩出される法曹は、基本的にテン・マル派ということになるでしょう。

よかった。

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