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豊洲にしてもオリンピックにしても

 

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連日報道されている豊洲新市場問題ですが、昨日の報道では、地下水から環境基準を超えるベンゼンとヒ素が検出されたということです。
そもそも土壌汚染対策として、汚染土を取り除いて盛り土をすることになっていたのが、あちこちで盛り土をしていなかったことが判明したり、汚染度のモニタリング調査の結果を待たずに市場の移転を予定したり、やることがいろいろと怪しげなのですが、公共事業を巡って怪しげなことが行われていることに「慣れっこ」になっている都民・国民にとって、「またか」と思う一方で、「やっぱり」という思いも禁じ得ないところです。

「臭いものには蓋」

という言葉がありますが、まさか、土壌汚染も既成事実で蓋をしてしまえばばれないだろうと考えたのではないかと、勘繰りたくもなります。

4年後に控えた東京オリンピック・パラリンピックについても、当初の見積もりを遙かに超える予算をつぎ込まなければ実現できないと聞いて、見積もりが甘すぎたのではないかという非常に真っ当な批判もありますが、実のところ、それもすべて織り込み済みだったのでは?という疑いもあります。

「小さく産んで大きく育てる」

という言葉がありますが、その業界では、

「安い額で落札して、その後に金額を上積みしていけばいい」

という意味合いで使われているという話を聞いて、なるほどと思った経験があります。

人件費や資材の高騰、予想外の地盤改良のための別途工事、設計変更による追加工事、天候不順による工事中断による人夫確保の費用、工期圧縮による突貫工事のための追加費用、周辺対策費の追加、周辺住民の反対運動対策費、その他諸々、金額は驚くほど増えていくわけです。

支払う側も、大型公共事業の場合などは、よく言われるように税金という「他人の金」から支出する甘い意識のせいなのか、長期にわたって納税者にメリットがあるのだからいいじゃないか、という言い訳ができるからなのか、財布の紐がかなりゆるんでいると言わざるを得ません。

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