レガシーの活用
この記事は約 2 分で読めます。
参院選の終盤、安倍元首相が凶弾に倒れるという衝撃的なニュースが飛び込んできてから、早いもので2週間が経過しました。
仏教では故人が亡くなってから7日ごとに法要が行われ、7度目、四十九日まで続きますが、これは7日ごとに故人がどの世界に行けるのか裁きを受けるので、遺族や親族が法要を通じて故人を追善し、罪が軽減されるようにするのだそうです。
順次、生前の殺生、盗み、不貞、嘘が調べられ、有名な閻魔大王が登場するのは5度目、35日目のことだとか。
遺族、親族、友人、知人を総動員しても、なかなか手ごわい裁きになりそうです。
これらの法要のことを調べていくうちに、刑事裁判で家族が出廷して情状証人として証言する様子を想像してしまったのは、職業柄やむを得ないことですので、どうぞご容赦ください。
ところで、今日の閣議で9月27日に日本国技館で安倍元首相の国葬を行うことを閣議決定したというニュースに接しました。
故人の功績を称えたいという方々には、是非とも国葬という形を取りたいという気持ちが強いことは理解できます。
しかし、国葬という儀式を行う法的根拠はないので、これを強行することは違法ということになってしまいます。法を破ってまで故人を追悼するというのは、追善の正反対。かえって故人を貶めることになるのではないかと、一国民としても懸念しています。慣例にならって、内閣・自由民主党合同葬とするのが、結局いちばんよいのではないかと。
もっとも、故人からすれば、「こんな人たち」の1人かも知れないので、余計なお世話と言われかねませんが。
会場に予定されている日本国技館は、元はといえば1964年の東京オリンピックの柔道会場として建設された施設です。昨年行われたの東京オリンピックでも利用されましたが、首相経験者の葬儀会場としてもくり返し利用されてきました。
数年前にくり返し言われていた「オリンピックのレガシー」とはこういうことだったのでしょうか。
その日本武道館を管理運営する公益財団法人日本武道館の現会長が高村正彦元法相で、この2週間で話題になった旧統一教会との関係が取り沙汰されている人物の1人であるというのは、皮肉というよりほかにありません。
RIP
関連記事
-
-
夏の終わりに
前任の総理大臣が退陣表明をしてから、早いものでもう1年が経過しました。 あれから …
-
-
まだ大丈夫?
西日本を中心とした豪雨被害に遭われた皆様、今も避難生活を余儀なくされている皆様に …
-
-
野党はだらしない?
世間は参議院議員通常選挙の真っ最中です。 国政選挙としては2017年10月の衆議 …
-
-
わきまえない
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長の、日 …
-
-
初めての贈り物
名前は子供への最初の贈り物。 そんな言葉を耳にしたことがあります。 でもその一方 …
-
-
末はハカセか
「末は博士か大臣か」などと子供の将来を期待することができた時代は、きっと子供にと …
-
-
地下倉庫に眠る
昨日のニュースですが、「働き方改革」法案に関連して、裁量労働制を巡る不適切なデー …
-
-
交通事故を他人事にしない
一昨日、大津市での交通事故のニュースが飛び込んできました。わずか2歳のお子様を亡 …
-
-
三段論法
人間は死から逃れられない。(大前提) ソクラテスは人間である。(小前提) ゆえに …
-
-
沈黙と雌伏
アメリカの大統領選挙がなかなか決着しませんが、現職大統領が開票作業の差止めを求め …
- PREV
- 侮辱罪厳罰化
- NEXT
- 親子なのに親子と認めない