瀬戸内寂聴さんの発言に思う
この記事は約 2 分で読めます。

先週末、福井で日弁連人権擁護大会が開催され、これに先立って死刑制度に関するシンポジウムが行われました。その際、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんの、死刑廃止の立場から「殺したがるばかどもと戦ってください」というビデオメッセージが紹介されたことが、大きなニュースとなりました。
「ばかども」という表現に対して批判の声が上がったのは当然で、主催者の日弁連が謝罪するという展開になりました。
本題から離れたところに注目が集まってしまったのは、主催者にしても参加者にしても、不本意なことに違いありません。
この一連のニュースに接したときに思い出したのは、「バカの壁」でした。
解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司先生のベストセラー「バカの壁」が出版されたのは2003年(平成15年)のことだったのですね。もう13年も経ってしまいました。
再読していないので、多少誤りがあるかも知れませんが、「バカの壁」に言う「バカ」は思考停止のことだったように思います。思い込みや、勘違い、無知、無理解に基づくものばかりではなく、相手が間違っているに決まっている、これ以上突き詰めて考える必要がない、という意識的な思考停止も「バカの壁」とされていたのではなかったでしょうか。
寂聴さんの発言の真意は分かりかねるとしても、AかBかという二分論で激しい言葉をぶつけ合う時、お互いに、むしろ自分自身の側に「バカの壁」が立てられていないか、自問自答してみることが大切ではないか、ということを気付かされた出来事でした。
関連記事
-
-
防衛省と住民基本台帳
自衛官募集のために地方自治体が協力してくれないけれど、自衛隊を憲法に明記すれば、 …
-
-
エール
水泳の池江璃花子さんが白血病を公表したニュースには、本当に言葉を失いました。 ず …
-
-
仮定の質問
年明け間もない1月7日、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)に新型コロナウイル …
-
-
森羅万象
森羅万象という言葉が突然話題になっているというので、早速調べてみたところ、国会で …
-
-
ミュージアム
ちょっと前に話題になった「ミュージアムの女」、ご存知ですか。 岐阜県美術館のFa …
-
-
老いと運転
江戸時代の禅僧、仙厓義梵といえば、「○△□図」や「指月布袋図」などのユルい禅画で …
-
-
印象操作
何とかの一つ覚えじゃないですが、同じフレーズを多用する人っていますね。少し前には …
-
-
約束と異なる新しい判断
早いもので、もう6月も最終日になってしまいました。 安倍首相が消費税増税の時期を …
-
-
後悔先に立たず
「イギリス、EUやめるってよ」 というタイトルのブログが乱立するだろうなあと思っ …
-
-
読み間違い
「責ニ任ス」 口語化される前の民法にはよく登場する言葉でした。「責任を負う」と …
- PREV
- NHK「戦後史証言プロジェクト」
- NEXT
- お車でお越しの皆様へ
