弁護士 金井 清吉

 刑事事件に「誤判」は付きもので、無辜の人を処罰する必然がある。

 今もニュ-スになっている鹿児島県鹿屋の原口アヤ子さんの殺人事件は、一旦再審決定が出されたのに、検察上告により、最高裁で覆って今一から出直しを強いられている。原口さんは、もはや90歳を超す老齢で入院しいつどうなるか分からない健康状態ときく。

 原口さんが「再審」申立したいと最初に依頼されたのは私と加藤弁護士で、鹿屋の夫婦殺人事件の弁護で鹿屋に通っているとき、我々の「被告人」から、実は今服役中だが、自分はやってないので先生に再審裁判をお願いしたいと言っている人がいると依頼を受けた。あと僅かで刑期が終るというので、出所してから話を聞くことにした。そして我々の殺人事件が最終的に無罪で終わったときに、原口さんの再審事件に取り組んだが、結局東京からは通い切れずに、福岡や地元の弁護士を中心に担って戴いた事件で因縁が深い。

 再審事件は「再審法」はなく、刑訴法に簡単な規定があるだけで、再審手続きは殆ど何も定まっていない。警察検察の手持証拠の開示や再審開始決定に対する上訴制限が必要と言われている。

 原口さんの一日も早い「再審」を願うと共に早期の改正立法を望みたい。