師走の前に
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早いもので今年もあと1か月あまり。来週は12月、師走です。
「師走」というと、教師の「師」が走ると書くので、「学校の先生も大忙しで走り回る」とよく言われてきましたが、調べてみると、法師、つまりは僧侶も走り回るほど忙しいということに由来するというのが有力なのだそうです。
現代では「師」といえば教師の方がなじみがあるせいか、由来まで分かりやすい方に流れてしまったのかも知れません。
12月1日は紙やプラスチックカードの健康保険証の最終日です。
12月2日からは、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に一本化され、これまでの健康保険証は廃止されます。マイナンバーカードを持っていない人や、マイナンバーカードに健康保険証を登録していない人には、健康保険の資格確認証が交付されているかと思います。
この「資格確認証」ですが、名称以外は従来の健康保険証と変わるところはなく、資格確認証で保険診療を受けることができます。
こういうことを、「健康保険証の廃止」って言うのは何か違和感がありますね。
単に名前を変えただけなのに。
「他人の名前をかたって保険証を利用するような不正使用を防止するのだ!」
と息巻いて導入した対策が、「資格確認証」の名をかたった事実上の健康保険証の交付だったとは、どこか滑稽にも映ります。
マイナンバーカードを軸に、個人に関する情報を統合していくことが、さまざまな処理を効率化させるという理屈は分からなくもないのですが、先日のアサヒホールディングスやアスクルのサイバー攻撃被害を見るにつけ、情報の集積というのは逆にもろいものだなと思わざるを得ません。
国政の上で最大の尊重を必要とされる個人の生命、自由、幸福追求権(日本国憲法13条)が、デジタル情報という数値に置き換えられて、見えない糸に絡め取られるような息苦しさを感じるのは、デジタルネイティブ世代ではないからなのでしょうか。
それより個人的には「『マイナ』カード」とか「『マイナ』保険証」という名前が気持ち悪くて仕方ありません。
「マイナンバーカード」の略語を考える時に、適当に頭3文字を拾ったのでしょう。
リストラ(リストラクチャリング)、インフラ(インフラストラクチャー)、インフレ(インフレーション)みたいなつもりかも知れませんが、肝心の「ナンバー」の部分が「ナ」しかないって、もう略語じゃないでしょう。
「日本司法支援センター」のことを「法テラス」とか言ってしまう開き直りっぷりが、かえって潔くさえ思えてしまうほどです。
結局何が言いたいかというと、師走に走り回る仲間に医師や看護師も入れてあげたらどうかということと、当分「資格確認証」でいいかなということです。
ちなみに、弁護士は走り回っても師走の仲間には入れてもらえません。
残念です。
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