ローマ字の休日
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ローマ字で「休日」をどう書きますか?
「kyûzitu」ですか?
「kyujitsu」ですか?
数十年前に小学校で教わった綴りは、確か前者の方でした。
しかし、中学校で英語を習うようになり、また、キーボードでローマ字入力をするようになって以来、前者の綴り方にはどうしても違和感を覚えるようになりました。発音と一致しないからです。
「kyûzitu」も「キュウズィトゥ」にしか見えません。
前者の綴り方を「訓令式」、後者の綴り方を「ヘボン式」と言うのですが、訓令式とは、1937年、昭和12年9月に第1次近衛内閣が発した昭和12年内閣訓令第3号において、公的なローマ字法として定められたことから、その名前がつけられました。
子音と母音の関係が規則的で覚えやすいという利点があるので、現代と比べて外国語になじみの薄い時代には、教育現場その他でも導入しやすかったのでしょう。
しかし、今やどこに行ってもローマ字綴りはヘボン式が圧倒的です。
ヘボン式の場合、「し」が「si」ではなく「shi」になったり、「つ」が「tu」ではなく「tsu」になったりするので、書いたときの文字数は増えますが、発音に近い表記になるので、慣れてしまえば文字数のデメリットよりも、文字と発音のギャップに悩まされずに済みます。
名刺などには、ふりがな代わりにローマ字表記を付記されることも珍しくありません。
そんな現状を追認する形で、文化庁の審議会がこれまでの「訓令式」ではなく、多くの人が慣れ親しんでいる「ヘボン式」に基づく表記を採用するなどとする答申案をまとめたとの報道がありました。
ところで、この「ヘボン」式とは、この綴り方を考案したアメリカ人ジェームス・カーティス・ヘボン(James Curtis Hepburn)さんの名前にちなんでいるわけですが、この方のラストネームの綴りを見ると、ああ、これはヘプバーンさんではないですか。
ヘプバーンさんとローマは切っても切れない縁があります。
言うまでもなく、オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)主演の名作「ローマの休日」ですね。
ということで、これからはローマ字は胸を張ってヘプバーンならぬヘボン式でいきましょう。
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