今年下半期には約2,200人の弁護士が新たに誕生します。従来の司法試験合格者に加え、初めて法科大学院卒・新司法試験合格者が弁護士になるためです。今年6月1日現在の弁護士数は23,133人ですから、今年だけで約1割増ということになり、今後も毎年2,000~3,000人規模で急増することになっています。

 「善き法律家は悪しき隣人」という法格言をご存知でしょうか。法律を振り回して権利や義務を声高に主張する人は、つき合いにくく、けむたがられる人の典型で、そばにいて欲しくないということでしょう。裁判官や検察官、大学教授・研究者もみな法律家なのですが、どうも悪しき隣人のやり玉に上げられるのは弁護士であるように思います。

 アメリカのミステリー小説では、殺害される登場人物の職業で最も多いのは弁護士だと聞いたことがあります。その理由は、アメリカではそれだけ弁護士の数が多いからというだけでなく、弁護士が殺されても心が痛まないからだとか。凶悪な犯罪人を弁護したり、金持ちに雇われて庶民を理屈でねじ伏せる怪しからん輩、そんなイメージがあるのでしょう。
 真偽のほどは分かりませんが、弁護士が憎まれ役を引き受けていることは間違いないようです。

 先のヨーロッパ生まれの古い法格言に従えば、弁護士の急増は悪しき隣人をも増やすことになるのかも知れません。
 しかし「医者と弁護士は友人に持て」とも言います。相手にすれば憎らしい弁護士も、味方につけてしまえば心強いというわけですね。

 果たして、あなたにとって最も身近な弁護士は善き友人でしょうか、それとも悪しき隣人でしょうか。弁護士人口急増を前に、自戒を込めつつ。