教育基本法「改正」問題を話す機会が多くなっています。「愛国心」「正義」「平和」などを含む「徳目」教育の是非も問われます。ワールドカップサッカーで日本チームを応援する気持ちとか、イラクに自衛隊を送るとか、送るべきでないとか、「愛国心」や「平和」をどう考えるかは人によって違いがあるように思います。その中のどれかだけが、「『公認』の愛国心・平和」とされて、学校だけでなく家庭教育や地域の関係者にも押しつけられるのでは、という不安があります。

 ある学校の先生が、「担当クラスにイラクに派遣された自衛官の子どもがいて、父親のことが心配で不安で学校を休んでおり、学習が奪われている。」と話していました。この子どもの不安を「愛国心が足りない」と言うことになるとしたら…。憲法9条も変えてしまうと、こういう子どもが増えるのに、その不安に共感することが許されなくなるのでしょうか。

 ある漫画家は、「高校生になる男の子がいるが、様々な法『改正』が進む今、産むかと問われたら、不安があり躊躇する」と発言していました。漫画家の想像力だが、このままだと男の子は「兵士」にされる不安があると言うのです。女の子だとしても、夫や家族や恋人が戦地に赴くことになれば、幸せとは言えない生活が予想されることは同じです。

 出生率が低下し「少子化対策」が言われますが、子どもたちの未来が本当に幸せなものとイメージできなければ、好転する筈ないですよね。