今年の6月15日から「住宅宿泊事業法」、いわゆる民泊新法が施行され、一般の住宅でも届出を行えば民泊事業を行うことが可能になりました。
ただし、分譲マンションの場合は管理規約で民泊を禁止することが明確に定められていれば届出の要件を満たさないこととなりますので、まずはお住まいのマンション管理規約を確認する必要があります。
ここで、管理規約上「専ら住居として使用するものとし、他の用途に供与してはならない」とのみ規定されており、明確に「民泊禁止」がうたわれていないことが考えられます。この記載は国土交通省が従前より告示していた標準管理規約の文言を踏襲したものですが、国交省はこのような記載では不十分であるとして明確に民泊の可否について定めるべきとの見解を示しています。したがって、お住まいのマンション管理規約の文言上民泊の可否が明示されていない場合は管理規約の見直しが必要です。
もっとも、規約の改定には区分所有者又は議決権数の四分の三以上の賛成決議が必要ですので、すぐに手続を踏むことは難しいかと思われます。このような場合でも、マンション管理組合理事会で民泊を禁止する方針が既に決議されその旨が各戸に周知されている場合は、マンション管理組合として民泊を禁止する方針を明確化していることになり、申請の要件を満たさないとすることが出来ます。
いずれにしても、先に届出を出された場合は事後的にこれを禁ずることは非常に困難となりますので、早期の対策が望まれます。
仮に管理組合として民泊を可能とする方向で決議するとしても、民泊事業を運営する区分所有者が責任をもって宿泊者にルールを遵守させることは当然ですし、守られなければ管理組合として管理組合規約ないし区分所有法に則り区分所有者に対して違反の是正を求めることになります。
民泊を認めるか否かは今後のマンションの管理運営に関わる大切な事柄ですので、住民同士で良く話し合って決める必要があります。