待機児問題が深刻化する中、野党議員が「保育園落ちた日本死ね!!!」というブログを国会で取り上げたところ、安倍首相は、「匿名である以上、実際に本当に起こっているか、確認しようがない」などと答弁し、大きな批判を浴びました。
 そこで、政府が慌てて打ち出した待機児解消のための緊急対策は、子どもの安全確保などの観点から保育士配置基準などで国の最低基準を上回る基準を設定している自治体に対して、基準を緩和して児童の受け入れを求めるなど、既存施設に児童を詰め込み、待機児童数を減らそうというものです。しかし、いかにも場当たり的であり、また、保育施設での死亡事故などが起きている現状等に鑑みて、今般の政府の施策は極めて危険なものと言わざるを得ません。また、待機児問題の大きな原因の1つである保育士不足問題を解決するため、その処遇改善が求められていますが、こうした基準緩和は、これに逆行するものです。
 私自身、子どもを保育園に預けている身であり、子どもの預け先がなく途方に暮れている人の気持ちはよく分かります。しかし、だからといって子どもの安全と保育士の労働環境を犠牲にするのは本末転倒です。
 待機児問題解消に必要なのは、認可保育所の増設と保育士の処遇改善であり、こうした抜本的施策が急務です。