弁護士 菅沼 友子

 新井先生は憲法訴訟を中心に素晴らしい業績をあげられた立派な弁護士である。同時に、とても人間的でチャーミングな方であった。真面目な顔で冗談を言って皆をからかい喜んでおられた様子や、美味しいお茶とお菓子を実に幸せそうな顔で召し上がっていた姿など、思い出すと心が和んでくる。お仕事ぶりはもちろんそのお人柄に魅かれたファンの方からのご相談も多く、一つ一つに丁寧に、また、嬉しそうに対応されていた。
 仕事でご一緒させていただいたのは、一般事件のほか、秋田の加藤訴訟や名古屋の林訴訟など生活保護関係の事件だった。当事者の方のそれまでの人生とその時代背景を丹念に検討し、その中から問題の本質に関わる事実を裁判所に訴えていくことなど、新井先生から学んだことは多い。事務所の行事等で先生の経験談を聞かせていただく機会も何度かあったが、あまりに豊かな内容で、いつも用意されたお話の半分も聞けなかったのが残念である。

 新井先生、本当にありがとうございました。どうぞ安らかにお眠り下さい。

新井章弁護士