弁護士会館の総次長室でデスクワークをしていると、ほとんど季節を感じることはない。室温管理が行き届いているためでもあるが、忙しいせいでもある。卓上カレンダーの絵(一応その季節らしいものになっている)にもほとんど目をやる時間がない。
 それでも、部屋の外に出ると、「そういえば今は○○だった」とふと気がつく場所が会館内にもいくつかある。
 一つは15階から17階まで吹き抜けになっているロビーの窓。日比谷公園の樹々が四季折々の姿を見せてくれるのは言うまでもないが、夕陽を浴びる高層ビルの様子が季節によって微妙に違って見えるのは、ここで仕事をするようになって初めて気がついた。
 もう一つは15階のロビーに入ってすぐのところにあるグリーンコーナー。少し丈のある樹木や小ぶりの鉢植えを組み合わせたもので、季節によって入れ替えられ、そこだけちょっとホテルのようなおしゃれな雰囲気になっている。このコーナーは、女性で初めて(その後もいない)日弁連事務総長になった故井田惠子先生の基金によって運営されているとのこと。ここで季節の草花を目にすると少し元気になるような気がするのは、井田先生のパワーのおかげかもしれない。

 日弁連事務次長になって既に四季が2回巡りました。私としては貴重な経験をさせていただいておりますが、依頼者の皆様にはご迷惑をおかけしております。本年春には退任する予定です。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。