弁護士 船江莉佳

 
 事務所だより№62(2009年7月号)において銀座眼科(東京都中央区、すでに閉鎖)のレーシック手術被害について報告させて頂きましたが、感染症被害者54名の方々が原告となって、溝口医師らに対し、2009年7月に総額4億円以上の損害賠償を求める民事訴訟を東京地方裁判所に提起し、現在係争中です。被害発生から約3年経った現在でも後遺症に苦しんでいる被害者の方々がいます。

 そのような中、2011年9月28日に、銀座眼科元院長である溝口朝雄医師の刑事裁判の判決が東京地方裁判所で言い渡されました(後に溝口医師が控訴)。

 刑事裁判では、溝口医師が2008年9月~2009年1月までに患者の男女7人を手術した際に、器具を十分に滅菌処理せず、細菌に感染させて角膜炎を発症させたとして業務上過失傷害罪に問われました。裁判官は、溝口医師が多額な負債を抱える中で経済的利益を優先させて医療器具の滅菌などを怠り、院内感染を疑い始めた後も対策を講じず、約3か月半にもわたり被害を拡大させたと非難し、「医師として最も基本的な注意義務に反した。」「被害者は失明の恐怖にさいなまれ、人生を狂わされた。刑事責任は誠に重い。」として禁固2年(求刑・禁固3年)の実刑を言い渡しました。

 溝口医師は刑事裁判の際に今後も僻地で医師を続けたいと話していましたが、銀座眼科レーシック事件被害者の会では、溝口医師が医療行為を続けることは医療に対する国民の信頼を失墜させるだけでなく、国民を引き続き危険な医療にさらし続けることに他ならないとして、溝口医師の医師免許取り消し処分を求める要望書を厚生労働省に提出し、現在も署名活動を行っています。

 署名活動にご賛同いただける方は、是非当職までご連絡ください。

※レーシック手術:レーザーを照射して視力を矯正する手術