弁護士 加藤文也

 昨年7月、国連総会で核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、保有等を禁止するとともに、これらの兵器の使用、使用の脅しをかけることも禁止する核兵器禁止条約が非核保有国122か国の賛成で採択されたことは、核兵器のない平和な世界を創っていく上で画期的なことでした(残念ながら日本政府は、この条約に参加しませんでした)。

 この条約の採択に貢献した国際NGO核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が、ノーベル平和賞に選ばれましたが、このような動きを創り出すにあたっては、核時代を踏まえて創られた日本国憲法9条の思想を世界に広めるため地道な努力を続けてきた日本の被爆者はじめ多くの市民団体の貢献があったことを忘れることができません。

 日本への原子爆弾投下から2年後の1947年から、アメリカの科学誌は、核戦争などによる人類の絶滅(終末)を午前0時になぞらえ、その終末までの残りの時間を象徴的に示す世界終末時計を掲載するようになりました。

 これまでで最も分針が進んだのは米ソが相次いで水爆実験に成功した1953年の2分前、最も戻ったのは、ソ連崩壊により冷戦が終結した1991年の17分前です。2017年は、トランプ大統領の核廃絶秒前となっております。

 日本国憲法9条は、人類の生き残りの方策を示していると思われます。 憲法9条は、日本国憲法前文の「全世界の国民が、平和的生存権を有する」とした条項等を受け、第1項で、不戦条約の系譜に属する戦争放棄について規定し、第2項で、軍備と交戦権を否認する規定を置いております。
 憲法改正について検討するにあたっては、上記のような視点も考慮に入れて検討する必要があるのではないでしょうか。