徒歩5分くらいのところに、新宿御苑があります。江戸時代の信濃高遠藩主内藤家の下屋敷の敷地が、皇室御料となり新宿御苑となった庭園で、戦後国民公園となって一般に公開され、現在に至っているものです。
 新宿御苑には、「回遊式日本庭園」など3つの庭園があり、都民の憩いの場となっています。4月に「桜を見る会」、11月に「菊を見る会」が開催されますので、ぜひお出で下さい。
 またこの辺りには、「内藤新宿」という甲州街道最初の宿場町があり、広重の「名所江戸百景」に、大きな馬と宿場町が描かれた「四ツ谷内藤新宿」と題した版画があります。
 内藤家は明治になり子爵となりましたが、その第14代当主である内藤頼博氏は、裁判官で名古屋高裁長官になっています。内藤氏は戦前の司法官(裁判官・検察官)と弁護士を二元的に修習する制度を改め、統一して修習するという、一定の民主的な修習制度の実現に関与した人です。私が名古屋で修習をしている時に、内藤氏の「名古屋高裁長官講話」がありました。当時「分離修習」への変更が問題になっている中で、内藤氏が修習生に3つの分野でそれぞれしっかりと修習し、「統一修習」の理念を実践することを強調されたことが記憶にあります。