弁護士に依頼して法的な手続きをとりたい、でも弁護士費用が用意できない…。法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、そんな方を含めて、誰でも、いつでも、どこでも、「法」による紛争の解決に必要なサービスを受けられる社会を実現していくため、司法改革の柱の一つとして設立(独立行政法人に準ずる法人)され、今年10年目を迎えました。無料法律相談や弁護士費用の立替(いずれも資力要件あり)などの「民事法律扶助」、トラブルの解決に役立つ法制度や関係機関を紹介する「情報提供」、さらに「国選弁護・国選付添人関連業務」などを行っています。
 縁あって、この4月から法テラス本部(東京都中野区)の幹部職員となり、毎日、民事法律扶助の運営管理や新たな業務に向けた企画・調整などにあたっています。弁護士として経済的に困難な依頼者の方の事件受任の際に民事法律扶助を利用してきた立場で、「使い勝手が悪い」「手続きが煩雑」など不満に思っていたことを少しでも改善したいと思っていましたが、実際に運営する側になってみると、税金で賄われている事業であるがゆえの厳しさと責任の重さを痛感し、頭を悩ませています。
 「法テラス」という少し変わった名前には、法によって解決の道を示しトラブルを抱えた方の心に光を「照らす」という意味と、そのような方にも「テラス」のようにくつろいでいただける場所でありたいという意味を込めています。その名にふさわしい役割を果たせるように、力を尽くしたいと思っています。事務所不在が続きますが、所員のバックアップを得て皆様にご迷惑をおかけしないように努めますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。