[事務所創立50年企画/私と創立50年]

弁護士 船江莉佳

 
 社会の中で弱い立場におかれている人や理不尽な思いを強いられている人の役に立つ仕事をしたいと弁護士を志し修習生活を送っていた私にとって、生存権裁判や鹿児島夫婦殺人事件(えん罪事件)など著名事件に関わってきた弁護士事務所である当事務所は憧れではあったものの同時に畏れ多い印象でした。ところが、事務所訪問の際に初めて会った先輩弁護士3人が思い思いに自分の精力的に取り組んでいる人権課題等や事件について真摯にかつ活き活きと話をしてくれた中で、当事務所の個々の弁護士が自分の関心のある人権課題等に精力的に取り組むと共に、依頼者の気持ちを大切にして事件解決をしていこうとしている点で共通し、また、事務所全体が緩やかに結束している様子を感じました。そこで、是非私もこの事務所の一員になりたいと、入所を強く希望しました。

 幸にも希望どおり入所し、先輩、後輩弁護士、事務局に支えられながら、多くの事件の解決に携わるとともに、事務所外でも、関心のあった分野での活動(医療問題弁護団での活動や日弁連消費者委員会食品安全部会での食品の安全に関する取り組み)の他、東京家庭裁判所で非常勤裁判官(家事調停官)をする機会にも恵まれました。

 今後も当事務所の一員として研鑽を積み、国のあり方が益々混沌としてきている中で、基本的人権を擁護し社会正義を実現するという弁護士の使命を全うできるよう努力していきたいと考えています。