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住民の立場から

 

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昨日の衆議院本会議での日本共産党の志位和夫委員長の代表質問の際の出来事です。
沖縄で相次ぐ米軍機の落下物や事故について質問しているところに、自民党席から

それで何人死んだんだ

との野次が飛んだというのです。

発言の主は、松本文明内閣府副大臣で、なんと過去には沖縄・北方担当副大臣を務めていたこともある人物でした。

このニュースを聞いたときに思い出したのは、第3次横田基地公害訴訟の東京高裁判決のことでした。
ご存知のとおり、横田基地は東京都西部にある在日米空軍の基地で、基地周辺住民が基地に離着陸する軍用機による騒音被害や墜落事故、落下物による事故の危険などを訴えた裁判でした。
1994(平成6)年3月30日に言い渡されたこの東京高裁判決では、米軍機の墜落事故に関して、次のように判示しています。

ついでに触れておくが、一審被告は航空機の墜落の確率は極めて小さいとして、杞憂に過ぎないという。確率が小さいことは分かっている。分かっていても怖いと思うのが人の常というものであろう。ここで確率を持ち出すことが意味があるとは思えない。的外れの反論というほかない。

ここに言う「一審被告」とは、国、すなわち日本政府のことですが、国は、米軍機の墜落事故なんて滅多に起こらないのだから、心配のしすぎだという反論をしたわけです。
しかし、裁判所はこの反論を「的外れ」とバッサリ切り捨てた。
しかも、この判示には、わざわざ「ついでに触れておくが」という断り書きまで添えられています。つまり、本当ならこんな反論は無視したって構わない(=判決の結論に影響を及ぼさない)けれど、あまりにも酷い反論なので、はっきり言ってやらないと分からないだろう、ということです。もっと言うなら、「もうこんな馬鹿げた反論を二度とするんじゃないぞ」という含みさえ感じられます。

数字で比較するならば、沖縄県内の交通事故による死者・負傷者の方が、米軍機の事故の場合よりずっと多いでしょう。
しかし、これは比較の問題なのかということです。

かつて首相官邸の屋上にドローンが落ちているのが発見され、わずか1年の間にドローン規制法が整備されて、首相官邸などの国の重要施設や原子力発電所などの周辺地域の上空でドローンを飛行させることが禁止されたのに対し、沖縄では落下物事故があっても、相変わらず教育施設の上空を米軍機が飛び交い、墜落としか思えないような「不時着」事故の直後でも、住宅地の近くで同型機が飛行訓練を再開しているのが実情です。

そのあげく、あたかも人が死ななければ問題ないかのような発言をする政治家というのは、一体国民・住民を何だと思っているのでしょうか。米軍や自衛隊の活動にとっての足手まといくらいにしか思っていないのではないかと考えざるを得ません。

国防は重要、日米安全保障体制は堅持・強化する必要があると考えるとしても、国民・住民を犠牲にする、それも「国政の上で、最大の尊重を必要とする」(日本国憲法13条)はずの個人としての国民の権利を、単なる「数」でしか見られなくなるようでは、安全保障を語る資格がないと言って差し支えないでしょう。
なぜなら、安全保障は「国家」の安全保障ではなく、「国民」の安全保障のはずですから。

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